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駐在員レポート
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静岡県職員時報
駐在員生活で意識させられたこと

【2000年新年】
                                            篠原清志駐在員
 私のシンガポール駐在員生活も残り僅かとなりました。この三年間、アジアは経済危機やインドネシアの混乱など大事件が連続し、否が応でも「国家」というものを意識することが多かったように思います。
 日本では国旗・国歌法が成立しましたが、それ以前に当地で「日の丸・君が代」を身近に感じることがありました。それは二年前、フランスW杯アジア地区代表の最後の座を争った日本対イランの試合ででした。この試合は、シンガポールに近いマレーシアのジョホールバルで行われたため、私も応援に駆けつけ、日本からも多くのサポーターが来ました。スタンドのほとんどを埋めた日の丸、試合開始前のセレモニーで二万人近くの日本人が歌い、ジョホールバルの夜空に響いた君が代、シンガポールに駐在しての三年間でも、この夜の興奮と感動は最も印象深い思い出です。(本県出身者が中核を占めた日本が劇的に勝ったこともありますが)
 また、日本以上に平和やボーダレス社会の恩恵を受けているシンガポールでも、「国家」が人々の生活に大きく影響しています。
 当地では、土曜日の午後、中学校のグランドから大きな号令が聞こえ、中では迷彩服を着たり、濃紺の制服にライフルを持った一団が隊列を組んで行進する光景を見かけます。行進している者の体格は小さく大人とは見えないため、知り合いの若者に、これはいったい何者なのか聞いたところ、「ユニホーム・グループ」という中学校の課外活動との答えでした。ユニホーム・グループには、ボーイスカウトやガールガイズ、少年・少女が頭に付く「看護隊」やら「警察」、「軍隊」まで八種類あって、中学生の大多数が、どれか一つには所属しているとのことです。
 この「警察」や「軍隊」では、実弾を使っての射撃訓練も行われているようで、今年の建国記念式典では、本当の軍隊や警察と並んで、シンガポールを守る中心的な存在として一緒に行進していました。その他にも、マルチメディアの博物館が軍事技術中心の展示であったり、日本の戦後平和教育を受けた身としては、少なからずショックを受けることばかりです。
 「国家」については、日本ではあまり意識しなくても済みますが、海外、特にアジアで生活してみると、「民族」、「宗教」の問題も含めて毎日考え意識せざるを得ない三年間でした。

庶民の味 肉骨茶(バクゥテー)
 肉骨茶は、骨付き豚肉を各種の香辛料やニンニクを使ったその店秘伝のスープで煮込んだもので、白米にかけて食べます。昔は苦力のエネルギー源として好まれ、今もシンガポールの華人から絶大な支持を受けています。お茶もセットになっていますが、 テーブルの上の急須や茶碗は、各テーブルの横で沸騰しているヤカンの熱湯を、客が自分でかけて消毒しなければなりません。庶民の味肉骨茶は、油っこさもそれほどでなく、在留日本人にも愛好者が多くいます。

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