毎年、お正月には新しいカレンダーをめくって、14日ある祝日と5月4日の曜日を確認し、連休の多い少ないに一喜一憂する方も多いと思います。シンガポールの祝日は年に11日ありますが、日本のように日付が決まっているものは少なく、毎年日付が変わるものが8日あります。これは、中国系、マレー系、インド系からなる多民族国家のシンガポールでは、それぞれの習慣や宗教に関係の深い日を祝日とし、その暦により日付が決められるからです。
チャイニーズ・ニュー・イヤーは、旧暦の新年を祝う中国正月です(今年は1月24、25日)。シンガポール国民の8割近くが中国系なので、最もにぎやかなお祭りになります。おめでたい赤い色の垂れ幕などが街にあふれ、「新年快楽(シンニェンクワィラ;あけましておめでとう)」、「恭賀発財(ゴンシイファツァイ;今年もお金がたまりますように)」というお祝いの言葉が飛び交います。繁華街のオーチャード通りや中華街にはパレードが繰り出し、ライオンダンス(獅子舞の中国版)や外国から招かれたグループの踊りなどが披露されます。連休になるので2日目は年始のあいさつ回りの習慣がありますし、この休みを利用して外国へ旅行に出かける人も多くなります。
イスラム教のマレー系国民にとって最大のお祭りは、断食の月(ラマダン;イスラム暦の9月)が明けたことを祝うハリラヤ・プアサです(今年は12月16日)。モスクでお祈りをささげた後、親戚や友人を訪ね、「SERAMAT
HARI RAYA PUASA(スラマッ ハリ ラヤ プアサ)」とお祝いの言葉を交わします。また、メッカへの巡礼を祝うハリラヤ・ハジという祝日(3月)もあります。
インド系国民にはヒンズー教の光の祭りであるディーパバリがお祝いの日です(11月14日)。善(光)が悪(闇)に勝つようにと、家中を明るくします。ヒンズー教のお寺は大勢の信者で賑わい、インド人街の通りは半月ほど華やかな飾り付けとライトアップがなされます。
一方、小国の発展のためには民族間の協調が不可欠であるので、ナショナル・デイ(独立記念日;8月9日)には、皆で国の誕生日を祝いさらなる飛躍を遂げようと、1か月ほど前から町中には国旗や垂れ幕の飾り付けがなされ、当日は軍隊や警察に続き大人から子どもまで参加する大規模なナショナル・デイ・パレードも行われます。
この他、元旦(1月)、レイバー・デイ(5月)、ヴェサック・デイ(釈迦の誕生日;5月)、グッド・フライデー(キリスト受難の日;4月)、クリスマス(12月)も祝日です。日本より祝日の数が少ないシンガポールですが、単にお祭りを楽しむだけでなく、いろいろな民族、宗教、慣習などに触れ、あれこれ思いをめぐらせることができます。
お勧めスポット
たそがれどきのクラーク・キー
シンガポールの中心街を流れる川沿いにクラーク・キーという一画があります。岸辺に面して、中華、イタリアンなどのレストランやバーが並んでいます。河口までのクルーズができるボートの乗り場もあり、観光客も多いところです。夕暮れになり暑さも和らぐと、屋外で名物のスティーム・ボート(海鮮しゃぶしゃぶ)やバーベキューを楽しむ人たちが集まってきます。川風に吹かれながら、国際金融都市を象徴する高層ビルの夜景をバックに飲むビールも乙なものです。