シンガポールでは、1992年に国家的IT政策として発表された「IT2000計画」に続き、2001年から2010年にかけての期間で、同国をインテリジェント・アイランド化し、アジア太平洋地域における情報通信ハブとして発展させようとする「Infocomm21」という計画を策定している。この計画の基本戦略としては、通信分野の自由化、人材育成、ドットコム企業の強化育成、外資との提携による国内企業の育成、双方向広帯域マルチメディア産業の増強などが挙げられている。2005年までに情報通信産業の年間売上高を400億シンガポールドル(約2兆5000億円)にするなど、具体的な数値目標も設定されている。
また、2000年7月には、情報通信開発庁から「情報技術ロードマップ」計画が発表され、2005年までに国内のすべてのビルの25%(ほとんどの商業ビルがカバーされる)に高速・広帯域の光ファイバーを整備するなど、学校、家庭も高速通信網でつなげるインフラ整備を進めることとしており、現在政府、民間企業等国を挙げてインテリジェント・アイランドの実現に取り組んでいる状況である。
このような政府のIT推進策が効を奏し、一般家庭へのコンピュータの普及率は1999年の国家統計局の調査で58.9%、また、家庭におけるインターネット接続比率は42.1%と、大変高い。また、シンガポールは、インターネット接続インフラの整備状況などの評価による世界のEビジネスのランキングで、アジアで最高の8位となっており(イギリス「エコノミスト」誌の調査機関の調査)、世界でもトップクラスのIT利用国との評価が高い国である。